糖尿病とは

糖尿病のイメージ写真

糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。ブドウ糖は細胞に取り入れられるなどしてエネルギー源となるのですが、きちんと取り込まれるためには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要となります。このホルモンの働きが何らかの原因によって悪化すると、食事などによって上昇した血糖値が下がらなくなってしまうのです。糖尿病は放置すると血管障害を引き起こすので、なるべく早い段階で治療を開始することが大切です。健康診断などで血糖値の異常を指摘された方は、すぐに当院をご受診するようにしてください。

当院では必要に応じて、当日に採血、採尿後30分以内で血糖値、HbA1c値(過去1~2か月間の血糖を示す値)、尿ケトン体定性(インスリンホルモンの著名な不足を示唆するデータ)の院内測定を行い、結果をお伝え出来ます。

主な症状

糖尿病になったとしても、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし、ある程度まで進行すると、下表のような症状が現れます。

このようなときは、お早めに当院をご受診ください

  • 健診等で「血糖値の異常」を指摘された
  • このごろ目立って太ってきた、もしくは痩せてきた
  • ひどく喉が渇く
  • 尿の回数が多くなった
  • 足がむくむ
  • やけどやケガの痛みを感じない など

糖尿病の合併症について

糖尿病を放置していると、全身の血管の動脈硬化を促進し、合併症のリスクが高まります。その中でも細小血管が集まっている目(網膜)や腎臓で問題が起きることが多く、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症と言われています。これらは失明、慢性腎不全(人工透析)、足壊疽につながります。さらに脳卒中、狭心症・心筋梗塞といった大血管の合併症を発症するリスクも高くなります。

糖尿病の種類

糖尿病には、主に1型と2型があります。このうち1型糖尿病は、自己免疫反応などによってインスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌されなくなり、慢性的に高血糖となります。2型糖尿病は、慢性的な血糖上昇に対してインスリンが慢性的に過剰に分泌した結果、インスリンの分泌が低下します。日頃の不摂生な生活習慣によって起こりやすくなります。ご飯を食べ過ぎる、脂っこい食事が多い、野菜をほとんど食べない、定期的な運動を行っていない、お酒を飲み過ぎる、タバコを吸う、といった方に多くみられます。なお、日本人の全糖尿病患者さんの90%以上が2型糖尿病患者と考えられています。

治療

1型糖尿病の場合は、インスリンがほとんど分泌されていない状態なので、インスリンを体外から補うインスリン注射を行います。2型糖尿病の場合は、生活習慣を改善する必要があるため、まず食事療法や運動療法を行います。食事療法では、適正エネルギーの摂取、栄養バランスの良い食事に努めます。運動療法では、ジョギングやスイミングなどの有酸素運動を週150分以上行うことが望ましいとされています。こうした食事療法・運動療法だけでは血糖値が目標まで下がらないときは、血糖値を下げるためのお薬を処方いたします。